メールマガジン配信⑥:SUMS-なでしこNEWS Vol.6 [ メンター制度について ]

実施日: 
2012.12.14

2012年12月14日 発行
「SUMS-なでしこNEWS」第6号のテーマは「メンター制度について」です。

目次

≪コラム≫
■メンター制度について

≪男女共同参画推進室アップデート≫
■男女共同参画推進室主催 開催セミナー等
■参加したイベントのご報告

≪お知らせ≫
■ハラスメント防止DVDの貸出について
■他機関の関連セミナーのご紹介

コラム

メンター制度について

本年度8月15日に、本学が文科省の「女性研究者研究活動支援事業」に採択されたことはみなさんご承知のとおりだと思います。この事業は、読んで字のごとく女性研究者を支援するための日本政府によるプロジェクトです。Vol.1のコラムでも書きましたが、日本は、すでに少子高齢化社会に突入しています。経済学者や社会学者が何年も前から警鐘を鳴らしていますが、逆ピラミッド型人口分布はいろいろな社会・経済問題を引き起こします。たとえば、労働者の減少は直接的に日本経済に影響します。この状況下、日本の産業はグローバル競争が激化する中、モノ作り中心から医療を含むその他の分野に裾野を広げつつあります。さらに、以前から学生の理系離れが著しく、人口の減少に比例して将来日本産業を担っていく科学・技術者の数が心配されています(1)。
驚いたことに、人口が増加しているアメリカでも現在の科学・技術者の育成数が10年後の需要に対して100万人の不足が見込まれると大統領科学技術諮問委員会は2011年レポートで報告しています(2)。これに対する対策として、上記レポートは、女性科学者の育成と科学専攻中の女子学生が科学分野に残存することを奨励しています(3)。
しかし、アメリカにおいても女性が科学分野で残存し活躍できるようになるのは、容易でないことが証明されました。2012年9月24日にイェール大学が発表した調査チームは、「アメリカの科学分野の大学教員は女子学部生に対し男子学部生より能力が劣ると認識している」と結論付けました(4)。回収率30パーセントのこの調査は、回答者127人を分析し、量的データだけでなくインタビューなどの質的データも実施し、信頼性の高いものです。その結果は、大学教員は女性にメンタリング、または仕事を提供する可能性が低く、仕事を提供したとしても女性科学者の給与は男性科学者のそれよりも低くなっていると報告しています(5)。もっと興味深いことは、女性教員も男性教員とほとんど同様に女性の学生に偏見があるというところです(6)。客観性を重視する科学の世界においても、ジェンダー・ギャップが明らかなのは、無意識な文化的構築が背景にあるのではないかと述べています。結論として、女性科学者が科学の分野に残存することは、女性個人の努力や忍耐を超えたものであるため、学術方針の見直しや女子学部生を中心にメンタリングを提供する必要があるとしています(7)。女性個人の力量を超えたものであるとする結論は、女性は専門分野での活躍と同時に人口増加の直接的役割である「出産」を担っていることを考えると説得力があると思います。
アメリカでは先輩メンターが後輩の相談にのるというメンター制度は、一般的です。個人と個人の対話(ダイアローグ)が民主的な雰囲気を作り上げるため、退学や離職を防ぐという成果があるためです。国内の多くの大学でもメンター制度を実施しており、先日参加したJST「女性研究者研究活動支援事業 合同シンポジウム」でも成果が出る制度として紹介していました。本学男女共同参画推進室もメンター制度を導入いたします。それに先立ち、今月12月21日(金)(17:00~18:00)第1回メンター研修会を開催いたします。ご興味のある方は、どうぞご参加ください。

(担当:ブラドリー)

参考文献

(1)中野目純一(2012)「『山中ノーベル賞』で日本が科学大国と思うのはあやまりです!」,
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20121207/240701/
2012年12月12日アクセス.

(2)(3)(7)Corinne A. Moss-Racusin、John F. Dovidio、Victoria L. Brescoll、Mark J. Graham、 Jo Handelsman、「Science faculty’s subtle gender biases favor male students」,http://www.pnas.org/content/109/41/16474.full
2012年12月13日アクセス.

(4)(5)(6)Kenneth Chang(2012)「Bias Persists for Women of Science, a Study Finds」『The New York Times』
http://www.nytimes.com/2012/09/25/science/bias-persists-against-women-of-science-a-study-says.html?_r=0
2012年12月13日アクセス.

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男女共同参画推進室アップデート

男女共同参画推進室主催 開催セミナー等

12/21 第1回メンター研修会を開催します。

  • 日時:平成24年12月21日(金)17:00~18:00
  • 場所:管理棟3階 大会議室
  • 対象:メンターになりたい、興味がある方(参加希望の方は、男女共同参画推進室に事前にご連絡ください。)

2/3  男女共同参画推進のための県民参加型シンポジウムを開催します。

  • 日時:平成25年2月3日(土)13:00~16:30
  • 場所:ホテルボストンプラザ(JR草津駅西口)
  • 対象:県内在住・在学・在勤の方、男女共同参画に関心のある方 等
  • 定員:先着150人
  • 申込不要・参加費無料、無料託児あり(※託児ご希望の方は事前にご連絡ください)

【内容】

第1部
中央大学文学部教授 山田昌弘氏による基調講演「男女共同参画は、日本の希望」

第2部
本学学長補佐(女性研究者支援担当)尾松万里子氏のコーディネートによるパネルディスカッション
●パネリスト:
水野文子氏(奈良県立医科大学 細菌学教室)
三沢あき子氏(京都府立医科大学 小児科学)
梅田朋子氏(滋賀医科大学 外科学講座)
安藤光子氏(滋賀医科大学医学部附属病院 リエゾン精神看護専門看護師)

参加したイベントのご報告

11/20 JSTシンポジウムに参加しました
文部科学省主催「女性研究者研究活動支援事業 合同シンポジウム」に大埜総務課長とブラドリー男女共同参画推進室コーディネーターが参加しました。本事業に採択された大学のコーディネーターや担当者が、一堂に会して意見や情報を交換しました。どの制度がどの程度効果的であるかなど具体的な提案や、基礎医学研究を志す研究者の減少という深刻な問題提起もあり、たいへん充実したシンポジウムでした。本シンポジウムで得た意見や情報を本学の男女共同参画を推進する取組に反映させていきます。

12/15 滋賀県女性医師ネットワーク会議主催の滋賀県女性医師交流会へ参加いたします
この交流会では、医療機関におけるワークライフバランスについての講演会や討論会が行われます。
http://sbk.co-site.jp/upfile/50a5de6bbeeaa.pdf
交流会の様子は次号でお知らせします。

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お知らせ

ハラスメント防止DVDの貸出について

奈良県立医科大学女性研究者支援センター「まほろば」より、本センター制作のハラスメント防止DVD「『アカデミック・ハラスメントへの理解と防止』-女性研究者が生き生きと働き活躍できる環境をつくるために-」をお送りいただきました。視聴ご希望の方にお貸しいたします。ハラスメントを受けた時の心得や対応の仕方など、たいへん参考になります。ご希望の方は、男女共同参画推進室までご連絡ください。

他機関の関連セミナーのご紹介

【親子で楽しめるイベント】

●親子で体操
 1/26(土)10:00~11:30 滋賀県男女共同参画センター(近江八幡市)
 詳細:http://www.pref.shiga.jp/c/g-net/brief_profile/h24/wo-taiso.pdf(概要・申込み)

●パパと遊ぼう!ダンボール祭り
 1/13、27(日)の2回。
 いずれも10:00~12:00 ウィングス京都 4階スポーツルーム(京都市)
 詳細:
  http://www.wings-kyoto.jp/topics/topi-hureaipapa1301.html.html(概要)
  http://www.wings-kyoto.jp/event/event-all/fureaikakudai1301.html(申込み)

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